クエン酸によるコントラストの違い

Contrast difference of by citric acid.
 Black salt 2% + Citric acid 4% 
Black salt 2% + Citric acid 2% 
Black salt 2% 

All
 Silver nitrate 15% 
 Photographic paper negative 
Exposure time of 3 hours 
LED EV value 13 ISO100 

Salt print 
 My house of weeping cherry tree  
8x10 Pinhole photography 

 Himalayan Black Salt 

ソルトプリントにおいてコントラストを高くする添加剤は二クロム酸カリウムとなっているが、それは危険な薬品であり、発がん性が確認されている。乾燥後のダスト吸引がとても危険だという。その代替え品を検討していたが、今回意外な発見があった。
クエン酸は増感作用があるとよく処方に記してある。実験ははクエン酸なし、クエン酸添加2%、クエン酸添加4%で試した。硝酸銀は15%。
結果はクエン酸2%を添加すると増感作用があり暗部濃度が上がった。さらに4%でコントラストが著しく向上した。
塩はヒマラヤブラックソルトを使用した。
これは塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、ブラックソルトにそれぞれクエン酸添加でテストした結果ブラックソルトが最も増感効果があり最大濃度が高かったからだ。
各種ミネラルが多く、ソルトプリントに関係ありそうな物質として硫黄成分による硫黄増感、ヨウ素成分によるヨウ化銀生成などを期待した。クエン酸を追加すると薄くなるが、ブラックソルトのみだと硝酸銀との反応でヨウ化銀が出来、乳剤が薄黄色い発色を示す。クエン酸は緩衝作用やキレート作用を持っているそうだが、何か関係があるかもしれない。
しかしクエン酸の量によってコントラストが高くなることは意外であった。今後最適なパーセンテージを詳しく調べてみたい。
また、塩による違いも楽しい作業だ。死海の海の塩などはヨウ素や臭素も入っているらしく今後試してみたい塩の一つである。

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