レストア

片山氏のコレクションから一台のカメラをお借りしてレストアしている。
イギリスのW. Butcher & Sons Ltd.製Carbine シリーズの一つ。
1903年から1930年まで複数のモデルが発売されたという100年前のカメラ。
http://www.historiccamera.com/cgi-bin/librarium/pm.cgi?action=display&login=carbine
フィルムサイズはクォータープレートサイズのロールフィルムとプレートの2種類が使える。
シートフィルムをカットすれば今でも撮影が出来るのがいい。
レンズは1:6.3 F135mm のイェーナで作ったカールツァイス製テッサー。
木製のボディーに革張り、レンズ座台はアルミニウムでとても軽い。
レンズフロントにはライズ フォール シフトとラベンダー色の水準器が付いている。
目測だが無限から4フィートまでの距離を蛇腹と連動させてピントを合わせることが出来、ファインダーはレンズとミラーを組み合わせたものでおおよその構図がピントグラスをつけなくてもわかるようになっている。縦にも横にも動き素早い構図確認が可能。
操作性が良く扱いになれるととてもよく出来たカメラだった。
エアシャッター調整をひさなが光機さんに出して治ったら一枚切ってみよう。
このようなカメラをレンズだけ取り出してデジタルカメラに使いボディは捨ててある個体をたまに見ることがある。それはとても忍びない。
レンズと同じかそれ以上にカメラには当時の人々の多くの知恵と思想が 詰まっていてそこから学ぶことは多い。せめて操作方だけでも学んで貰いたい。
19世紀後半から20世紀初頭の人々が現代よりもはるかに優雅で知的であったのではないだろうか。手にしたカメラが教えてくれた。
とても洒落た美しいカメラだ。





現代のブローニーサイズより大きい。

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