カメラ・オブスキュラを使ったとされる有名な画家

カメラ・オブスキュラを使ったとされる有名な画家には、以下のような人物が含まれます。これらの画家は、カメラ・オブスキュラを用いて正確な遠近法や詳細な描写を実現したとされていますが、その使用については議論や推測も含まれるため、確定的な証拠がない場合もあります。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci, 1452–1519) 

レオナルドは『大西洋手稿(Codex Atlanticus)』の中でカメラ・オブスキュラの原理を詳細に記述し、絵画の補助ツールとして使用する方法を説明しました。彼は光学に関する深い知識を持ち、投影された像を利用して正確なスケッチを描くことを提案しました。

 ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632–1675) 

オランダ黄金時代の画家で、『デルフトの眺め(View of Delft)』や『真珠の耳飾りの少女(Girl with a Pearl Earring)』などの作品でカメラ・オブスキュラを使用した可能性が強く指摘されています。彼の作品に見られる光の効果(特にハイライトの「光の粒」)や正確な遠近法は、カメラ・オブスキュラの使用を示唆しています。デイヴィッド・ホックニーやフィリップ・ステッドマンなどの研究者による分析(ホックニー・ファルコ説など)もこの説を支持しています。ただし、フェルメールが使用した確固たる証拠はなく、議論が続いています。

カナレット(Giovanni Antonio Canal, Canaletto, 1697–1768)

18世紀のヴェネツィアの画家で、都市景観画(特にヴェネツィアの風景)で知られています。彼の作品の驚異的な正確さと詳細さから、カメラ・オブスキュラを使用していたことが広く受け入れられています。カナレットのカメラ・オブスキュラはヴェネツィアのコッレール博物館に現存しています。 カラヴァッジョ(Caravaggio, 1571–1610) バロック期の画家で、劇的な明暗法(キアロスクーロ)と写実的な構図で有名です。デイヴィッド・ホックニーは、カラヴァッジョがカメラ・オブスキュラやレンズを用いてモデルを投影し、その像をトレースした可能性を指摘しています。彼が暗室で作業し、他人に見せずに絵を描いたという記録や、当時の批評家による「ガラス」を持っていたという言及がこの説を裏付けています。ただし、これも推測の域を出ません。

レンブラント(Rembrandt van Rijn, 1606–1669) 

オランダ黄金時代の巨匠で、カメラ・オブスキュラやミラーを使用した可能性が研究者によって示唆されています。特に、彼の1660年の「自画像(Self-Portrait)」のような大規模な肖像画において、投影された像をトレースした可能性が議論されています。ただし、確定的な証拠は限られています。 

ジョシュア・レイノルズ(Sir Joshua Reynolds, 1723–1792) 18世紀のイギリス肖像画家で、カメラ・オブスキュラを所有していたことが記録されています。彼は風景画や肖像画の制作にこの装置を使用したとされています。レイノルズのカメラ・オブスキュラは、現在ロンドンのサイエンス博物館に保存されています。

 文献墨子の記述については、『墨子(Mozi)』の『墨経(Mojing)』にカメラ・オブスキュラの原理が記されています(紀元前5世紀頃)。

レオナルド・ダ・ヴィンチの記述は『大西洋手稿(Codex Atlanticus)』(1478–1519)に詳しいです。

フェルメールやカナレットの使用については、デイヴィッド・ホックニー『Secret Knowledge: Rediscovering the Lost Techniques of the Old Masters』(2001)、フィリップ・ステッドマン『Vermeer’s Camera: Uncovering the Truth Behind the Masterpieces』(2002)、ジェーン・ジェリー『Traces of Vermeer』(2017)が参考になります。

カナレットのカメラ・オブスキュラについては、ヴェネツィアのコッレール博物館の資料や『The History of Camera Obscura』(mymodernmet.com)が参考になります。
 

文献

墨子の記述については、『墨子(Mozi)』の『墨経(Mojing)』にカメラ・オブスキュラの原理が記されています(紀元前5世紀頃)。

レオナルド・ダ・ヴィンチの記述は『大西洋手稿(Codex Atlanticus)』(1478–1519)に詳しいです。 

フェルメールやカナレットの使用については、デイヴィッド・ホックニー『Secret Knowledge: Rediscovering the Lost Techniques of the Old Masters』(2001)、フィリップ・ステッドマン『Vermeer’s Camera: Uncovering the Truth Behind the Masterpieces』(2002)、ジェーン・ジェリー『Traces of Vermeer』(2017)が参考になります。 

カナレットのカメラ・オブスキュラについては、ヴェネツィアのコッレール博物館の資料や『The History of Camera Obscura』(mymodernmet.com)が参考になります。

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