カメラ・オブスキュラの原理の最古の記録

紀元前5世紀頃: 中国の哲学者・墨子(墨翟)が、光が小さな穴を通ると逆さまの像を投影することを記述。これはカメラ・オブスキュラの原理の最古の記録とされる。

紀元前5世紀頃、中国の哲学者・墨子(墨翟、ぼくし、Mozi)は、光が小さな穴を通ると逆さまの像を投影する現象を記述しました。これは「カメラ・オブスキュラ」の原理の最古の記録と考えられています。墨子は、自身の著作『墨経』の中で、光が直進し、小さな穴を通る際に物体を逆さに投影する現象を説明しました。この発見は光学の基礎を築く重要な一歩であり、後世のカメラや写真技術の発展につながる原理となりました。

墨子(墨翟)がカメラ・オブスキュラの原理を記述したとされる文献は、『墨子(Mozi)』の『墨経(Mojing)』に含まれています。具体的には、『墨経』の「経上」と「経下」の光学に関する記述(特に「経説」部分)で、光が小さな穴を通るときの投影現象が説明されています。これらの記述は、紀元前5世紀から4世紀頃にまとめられたものと考えられています。ただし、『墨子』の原文は古文であり、現代の解釈では一部の翻訳や注釈に依存します。以下は関連する主要な文献情報です:原典: 『墨子』(Mozi)、特に『墨経』(Mojing)の「経上」「経下」および「経説」。
記述の概要: 墨子は、光が直進すること、小さな穴を通る際に物体を逆さに投影すること(「小孔」による像の形成)を記述。これがカメラ・オブスキュラの原理の最古の記録とされています。
現代の参考文献:Needham, Joseph. Science and Civilisation in China, Volume 4, Part 1: Physics and Physical Technology (Cambridge University Press, 1962). この中で、墨子の光学に関する記述が詳しく分析されています。
Graham, A.C. Later Mohist Logic, Ethics and Science (Hong Kong: Chinese University Press, 1978). 墨経の光学部分の翻訳と解説が含まれています。


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